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ニセモノの朝 

001

壁掛け時計をちらちらと見ながら、ドレッサーの前に少し前かがみで、
恭介がネクタイを直している。
紺のストライプが絶妙なバランスで調整されていく。
トーストとコーヒー、それからベーコンエッグ。
ベーコンはカリカリに、卵は半熟で。
「胡椒の加減がいいね」褒めてくれるのはそこだけみたい。

油がはじける音。お皿が触れ合う音。
狭いキッチンに幸せの香りがした。
「朝の匂いだね」
コーヒーに口をつけながら、恭介が笑った。
ついさっきまで、狂おしく愛してくれた唇が、
今は不器用に笑みを作る。
ウソツキな笑顔。
ニセモノの朝も慌しい。
終電は11時56分。


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