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連ね歌 前篇 



「ひまわり作業所」で働く愛ちゃんは、長い髪を毎日きちんと二つに結んで、
蝶やら花やらの可愛い髪留めをつけている。
養護学校の高等部を卒業してから、親元を離れ、
グループホームで暮らし始めて、そろそろ一年が経つらしい。
19歳、この夏が終わったら20歳になるのだという。
作業所では朝早くからパンを焼き、昼間は作業所に隣接している
喫茶「ひまわり」でウェイトレスをやっている、無邪気な笑顔が可愛い女の子だ。

福祉系の大学生の僕は、学生ボランティアとして作業所に通っていた。
作業所で働く人たちは僕たちボランティアを気持ちよく歓迎してくれる。
愛ちゃんも僕たちの訪問をいつも喜んでくれていた。
作業所にも、グループホームにも同世代の友達はいないようだったから、
僕たちと接するのが、楽しいのだろう。
僕は愛ちゃんと同じ年だったが、先輩のような兄のような先生のような気持ち、
どっちにしても上から見ていたのは確かだと思う。
愛ちゃんはおよそ10歳ぐらいの知的能力しかなかったからだ。

愛ちゃんの僕に対する態度が、他のボランティアに対するそれとは
違う事に気付いたのは、通い始めて二週間ほどした頃だった。
愛ちゃんは日常生活にはさほど不自由はない。
計算も出来るし簡単な文章の読み書きも出来るから、
作業所やお店の仕事もスムーズにこなした。
何よりもその人懐っこい性格で、お客さんには人気者だった。

とはいえ帳簿をつけたりは出来ないし、少し難しい計算や
(大勢で来たお客さんが、ひとりずつ支払いたいと言い出したり)
トラブル対処は難しかったので、お店には必ず職員かボランティアがついていた。
いつもは数人いるボランティアがたまたま僕ひとりだったとき、
愛ちゃんがいつの間にか僕にぴったりとくっついていた。
僕は腕に押し付けられたような形になった愛ちゃんの胸のふくらみにドキッとした。
愛ちゃんはそんな僕を試すような目をして、ちらっと見た、ように僕には思えた。
僕は慌てて少し離れた。

それから僕は愛ちゃんとできるだけ二人きりにならないように気をつけた。
みんなといる時の愛ちゃんは、特に変わった様子はなく、
僕の勘ぐりすぎかと考えてしまうほどだった。
でもやはり杞憂ではなかったのだ。

つづく
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