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真夜中のhighway 



ずいぶんと長く生きてきた気がする、もうかれこれ30と5年。
この年になるまでずっと、出会いと別れはペアになっているもんだと思ってきた。
でもたとえ別れが訪れようと、たくさんの男と出会って過ごした日々は、
ちょっとした勲章だとさえ、思っている。
尻軽女だとか、公衆便所だとか言いたい奴は言えばいい。
あたしはいつも真剣に愛してきた。
たとえ3日の恋にだって、命かけてきた自信がある。

翔平と出会った時もやっぱり、あたしは男と別れたばかりだった。
何年も売れないミュージシャンやってる、夢の話しかできない男だった。
夢でお腹はいっぱいにならないから、あたしが稼いで貢いだ。
洗濯をして部屋を綺麗にして、あったかい食事を用意して、
帰ってくるかどうかも分からないのに、毎日待っているあたしのことが、
いつしか鬱陶しくなったらしい。
見返りを要求したことなんか一度もないのに、あたしはいつもこうやって重たがられる。

ある日、仕事から帰ったら、アパートはもぬけの殻で、
あたしが持ち込んだ電化製品まで、キレイさっぱりなくなっていた。
何もない部屋であたしは1時間ほどワンワン泣いて、
それから、あいつの携帯に電話をかけた。
慌ててたのかうっかりなのか番号はまだ変えてはいなかったけど、
留守電になったから、
あたしはいつものように「ありがと。楽しかったよ」ってだけ入れて切った。
それからあたしは自分の携帯をその場に置いて、
アパートを出たんだ。メモリーを消す必要なんてない。
あいつの分しか、入ってないから。

翔平はあいつ以上に世の中をなめた男だった。
あたしはそういう男に弱いらしいのだと、最近になってようやく気付いた。
翔平に抱かれながら、暗い穴の中に吸い込まれていくような感じに包まれて、
あたしは何度も絶頂に達した。
そして本当に吸い込まれていくことになっちゃったんだ。

短絡的な欲望を満たす為に、結果、人を殺めてしまったあたしたちは、
その場を逃げ出すしか仕方なかった。
戻るところなんてない。
盗んだ車で高速に入り、あてもないまま飛ばし続ける。
降りしきる雨がフロントガラスを叩く音だけが、BGMだった。

「翔平だけひとりで逃げな」
夜明けのサービスエリアでコーヒーを飲みながら、あたしはようやく口を開いた。
翔平はあたしを片目でちらっと見て、髪をかきあげる。
「お前はどうすんのさ」
「あたしは・・・」
あたしは、今までと同じようにエンドマークをつけるだけのことだ。
今度はちょっと大きなエンドマークになりそうだけどね。

ボーっと、汽笛が聞こえた。
「きっと舞台の終焉の合図だよ」あたしの声は潮風にかき消された。
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物流技術管理士とは、物流に関する高い専門知識や技術を持ち、物流システムの設計・計画・分析・改善などを遂行できるエキスパートを認定する資格 http://galley.stepuptechnologies.com/

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